一次試験を突破し、二次試験にも挑み続けた4年間。 その裏側にあったのは、「勉強時間」だけでは語れない、生活そのものの戦いでした。

合格した年は、入社以来もっとも残業が多かった年。全社でトップクラスの残業時間の中で、睡眠を削り、昼休みを削り、それでも机に向かい続けた日々。

最終回となる今回は、仕事と勉強の両立、挫折からの立ち直り、合格発表の瞬間、そして受験生へのメッセージまで。診断士試験という長い挑戦の”内側”に迫ります。

Vol.1はこちら:診断士一次試験インタビュー|TAC一本で突破した”基礎反復”の学習戦略

Vol.2はこちら:診断士二次試験インタビュー|”迷いを減らす”ことで点が伸びた解法プロセス


仕事との両立は「地獄だった」

――勉強と仕事の両立について教えてください。職場の理解はありましたか?

すぎぞー:

自分は職場のチームメンバーには資格勉強の話をしていなかったので、全くなかったです。

受かった年は入社してから過去一番残業してましたし、全社で見てもトップクラスに残業が多い中での勉強だったので、勉強との両立は地獄でした(笑)

――そんな中でどう勉強時間を確保していたんですか?

すぎぞー:

睡眠時間を削ってましたし、昼休みはずっと勉強してましたね。

逆に言うと、残業が多かったからこそ「どんだけ疲れて帰っても勉強はしなきゃいけない」という状況が当たり前になっていたんです。二次試験の勉強会チームでの月110時間という縛りがあったことで、迷う余地がなかった。

「今日はやるかどうか」を考え始めるとやらなくなるので、やる前提で生活を組んでしまう。特に4年目はそういう感覚でした。

息抜きは「ほぼしてなかった」

――勉強の息抜きはどうしていましたか?

すぎぞー:

息抜きは、ほぼしてなかったです(笑)

勉強仲間の中にはSNSで情報収集したり、他の予備校のYouTubeを見たりしている人もいましたけど、僕はもう4年目で、後がないという気持ちが強かったんです。勉強しかしないつもりでいました。

元々SNSがあまり好きじゃないのもあって、ほぼそういうことはやらずに、振り返ってみると本当に禁欲生活だったと思います。

強いて言えば寝ることくらいですかね、息抜きは。合格したいっていう気持ち以外は何もなかったかもしれないです。

…効率的かと言われると自信がないので、おすすめはできないかもしれません笑


一番つらかったのは「また一次試験からやり直し」の瞬間

――4年間で一番つらかった時期はいつですか?

すぎぞー:

一番つらかったのは、2年目で二次試験に落ちた時ですね。

2年目で不合格になると、結局また一次試験からやり直しなので、「また一次からやるのか…」と一番モチベーションが下がったところでした。

次につらかったのは3年目の二次試験がダメだった時です。もう本当に二次試験とは相性が悪かったので、養成課程も考えるくらいでした。

一次試験は2回受かっていたので、当初の目的であるビジネスパーソンとしての知識は勉強できているなと思いながらも、ここまで足を突っ込んだ以上、なんとか診断士資格は取りたいなと。なので、3年目の二次試験がダメだった時はもう結構苦しかったです。


それでも4年目に向かえた理由

――3回落ちても続けられた理由は何だったのでしょうか?
すぎぞー:
一つは、最初に資格を取ろうと思った目標を最後まで完成させたいという気持ちです。

もう一つは、仲間の存在ですね。

3年目の勉強が終わった後に知り合った仲間2人と飲んでいた時に、「池袋校にすごい先生がいるらしい」「勉強会もあるらしい」という話になって、じゃあ3人で行って頑張ろうかと。

仲間がいるから行ってみようと思えた。一人だったらあそこで止まっていたかもしれません。


合格発表:「手が震えるくらい、信じられなかった」

――合格発表はどこで見ましたか?

すぎぞー: 会社で休憩時間に見ました。

毎年会社で見てたんですけど、3年間毎年落ちていたので縁起が悪いと思って、毎年見る場所を変えてたんですよ。4年目も昨年までと違う場所に行って見て、もう手が震えるくらいびっくりしましたね。

まさか受かると思ってなかったので。

――最初に誰に報告しましたか?

すぎぞー:

チームの仲間5人で「受かったらグループLINEに連絡しよう」と決めていたので、本当はチームの仲間に一番に報告したかったんですけど、すぐにはみんなから連絡が来なくて。

お互いの受験番号は知っていたので結果はわかってしまうんですけど、まだ見ていない人がいるかもしれないので、先にお世話になった親や友人、先輩に「やっと受かりました」と連絡して、その後みんなのグループLINEで報告し合う流れでした。

――嬉しかったですか?

すぎぞー:

本当に今まで人生の中でトップ3に入るくらい嬉しかったですね。

二次試験って手応えがない試験なので、10月末に受け終わって、1月頭の合格発表までも魂が抜けたような状態だったんです。そこで受かったったと分かって、全身に一気に血が巡るような感じで。めちゃめちゃ嬉しかったです。


4年間を振り返って:回り道したからこそ得られたもの

――今振り返ると、4年間の経験はどう感じていますか?

すぎぞー:

4年間回り道したんですけど、そこで学べたことは大きかったなと思っています。

二次試験は流派が微妙に違う中で、4人の違う先生に習えたのは大きな財産になったかと思います。もちろん合格年度の辻井先生には一番感謝していますけど、過去3年間で得たスキルやノウハウも自分の中には残っていて、それが最後の合格に導いてくれたのかなと思ったりします。

一次も2回やったことで知識の土台が固まった部分もありましたし。 結果として、遠回りが全部つながったという感覚ですね。


今後の展望:マーケティングを軸に、インプットとアウトプットの両輪で

――今後、診断士としてどんな活動を目指していますか?

すぎぞー: 診断士の活動ってどこまでいってもインプットとアウトプットの両輪だと思っていて。インプットを絶やすと決まったテンプレのやり方しかできない診断士になってしまうので、少しずつその両輪で回している年輪を大きくしていくイメージです。

自分の強みはマーケティングだと思っていますが、今まではBtoCのプロモーション寄りの仕事が中心でした。現在は転職して、某通信会社でさまざまなデータを活用したBtoBのマーケティングに携わり、マーケティング領域の幅を広げています。

マーケティングの中でも実行だけじゃなくて、戦略面にも幅を広げていき、それを診断士活動としてもアウトプットしていけるような形を目指しています。


受験生へのメッセージ:「諦めなければ受かります」

――最後に、今受験している方へメッセージをお願いします。

すぎぞー:

月並みではありますが、諦めなければ受かります。

僕自身、4年かかりましたが、これだけは自信を持って言えます。3回二次試験に落ち、入社以来一番の残業の中で、睡眠を削って、昼休みも全部使って、でも、やめなかった。

環境を変えて、仲間と一緒に走って、最後はこれまで積み上げてきたものを全て出し切って合格できました。

だから、今勉強がつらい人にも伝えたいです。 諦めなければ絶対に受かります!

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しばたろー
大手素材企業でマーケティング、新規事業創出、M&A、スタートアップの事業化支援などに従事しながら、中小企業診断士としても活動。 専門領域は中小企業のマーケティング、新規事業創出、オープンイノベーション。