正解が見えない二次試験。中尾さんが向き合った大きな壁

一次試験を突破した先に待っているのは、正解が一つではない二次試験という大きな壁です。

二次試験で求められるのは、膨大な与件文から企業の状況や課題を読み取り、限られた文字数の中で適切な解答を組み立てる力。

中尾寿孝さんも、初めて二次試験の問題に触れた時には、

「全く書き方がわからない」

という大きな戸惑いを感じました。

TACの講座を受講し、合格者のノウハウを学びながら、自分なりの解答方法を模索する日々。

試験終了直後には、

「手応えは全くなかった」

と振り返るほど厳しい試験でした。

それでも、中尾さんはどのように合格を勝ち取ることができたのでしょうか。

その過程を紐解くと、合格者が実践している「大きく外さないための戦略」が見えてきます。


ボロボロだった初見の二次試験。自分なりの「型」を作るまで

Q:初めて二次試験の問題を見た時、率直に何を感じましたか。

もうボロボロでした。

TACの講義はショートテストから始まったんですが、解き方や書き方が、そもそもわからないんですよね。

そこで「ふぞろいな合格答案(中小企業診断士2次試験)」というテキストにお世話になりまして、おおよそ解答の型があったので、それを参考にしながら、事例Ⅰ~Ⅲの答え方をある程度、統一していきました。

二次試験では、知識を持っているだけでは得点につながりません。

与件文から必要な情報を抽出し、設問の要求に合わせて文章化する力が求められます。

中尾さんは、合格者の答案を参考にしながら、自分自身が安定して答案を書ける「型」を作り上げていきました。


解答の型を作る。抜け漏れを防ぐためのフレームワーク活用

Q:解答の「型」を作る上で、何を基準にしていましたか。

具体的に言うと、例えば長女をプロジェクトリーダーに任命した狙いは何かという問いに対して、狙いの一つ目、二つ目、三つ目と箇条書きにしたり、目的を書くための箱をちゃんと用意しておくといったことをやっていました。

戦略であれば、誰が何をどこに、といったフレームワークを頭に入れて、落とし込んでいくようにしていましたね。

二次試験では、限られた時間の中で答案を完成させなければなりません。

毎回ゼロから考えるのではなく、考えるべき視点をあらかじめ整理しておく。

中尾さんは、解答作成の「型」を準備することで、安定して答案を組み立てる力を身につけました。


フレームワークで「大外れ」を防ぐ

Q:フレームワークと自分のやり方をどのように調整しましたか。

抜け漏れをなくすために、ある程度フレームワーク(例えば、幸の日も毛深い猫:組織人事のフレームワーク)を頭に入れていました。

大外れしたくなかったので、ある程度自分にあった回答の型を見つけておくっていうのは大事なことかなとは思いますね。

二次試験では、奇抜な解答を作ることよりも、設問要求に沿った答案を書くことが重要です。

中尾さんが重視したのは、

「ホームランを狙うこと」

ではなく、

「大きく外さず、安定して得点すること」

でした。


時間配分と文房具。極限状態で得点を安定させる工夫

本番での時間管理

Q:試験中の時間配分について、どのようなルールを設けていましたか。

最初の2分で設問を読んで全体像を把握し、10分で与件文を読んでいました。

あとは大問が4つあれば、時間的に割る4をして、感覚的に「今半分ぐらいだから2問ぐらい解いていないといけないな」といった具合で、あまり厳密には管理していなかったです。

細かい時間配分を固定するのではなく、全体の進捗を意識しながら調整する。

中尾さんは、本番で焦らないための時間感覚を身につけていました。


与件文への書き込みはシンプルに

Q:与件文を読む際、マーカーと鉛筆の使い分けをどのように工夫しましたか。

私は鉛筆一本ですね。

SWOT分析を問われているなら、与件文を読みながらSWOTを書いていって、問題点のところは波線にする、うまくいっているところは直線にする、というように分けていました。

凝ったやり方はしていません。

多くの受験生が工夫を重ねる与件文へのマーキング。

しかし中尾さんの場合、複雑な方法ではなく、自分が確実に実行できるシンプルな方法を選択しました。


事例Ⅳへの向き合い方。数をこなして「形」を身につける

Q:本番の疲労に対して、当日はどのような対策をしていましたか。

事例Ⅲで稼げた反面、事例Ⅱが相殺されてしまうといったことはありましたが、事例Ⅳは得意とも不得意ともいえない感じでした。

ただ、事例ⅣのNPV問題などは数をこなせば形が見えてくるので、そこでくじけないようにしていました。

二次試験では、すべての科目で完璧な手応えを得られるわけではありません。

重要なのは、自分の得点源を理解し、苦手分野で大きく失点しないこと。

中尾さんの取り組みからは、知識量だけではなく、自分自身の得点パターンを把握し、安定して得点を積み上げることを重視していた姿勢が伝わってきます。

次回記事辛い勉強の日々も糧になる。中小企業診断士試験を終えた後の充実した景色

ABOUT ME
faun
大手金融機関で、20年以上主に業績の厳しい中小企業を担当。現在は本部で業績の厳しい取引先に対する案件審査、営業店指導に従事。お世話になった中小企業のお力になれればと思い、中小企業診断士の資格を取得。