【合格体験記】なぜ中小企業診断士一次試験は落ち続けたのか?3年目で気づいた学習の罠(第1回/全3回)
プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 氏名 | 中尾寿孝さん |
| 受験期間 | 3年間(2023年~2025年) |
| 学習スタイル | 一次試験:独学(過去問、スピードテキスト、まとめシート活用) 二次試験:TAC講座を受講 |
| 主な所属・コミュニティ | 東京協会 城南支部、STC実務従事チーム |
「大学で経営を学んだから大丈夫」その自信が崩れた一次試験
「大学で経営を体系的に学んだから大丈夫」。
そんな自信は、受験1年目の試験会場で簡単に打ち砕かれました。
ビジネススクールを卒業し、さらなるキャリアアップを目指して中小企業診断士試験への挑戦を始めた中尾寿孝さん。
しかし、待っていたのは「記念受験」と言っても過言ではないほど準備不足の現実でした。
さらに、本業との両立という壁もあり、思うように学習時間を確保できない日々。
過去問を解けば30~40点。
暗記科目には苦手意識がある。
そんな状況から、中尾さんはどのように七科目という膨大な試験範囲と向き合い、合格をつかみ取ったのでしょうか。
そこには、決してスマートではないものの、試行錯誤の末にたどり着いた「自分だけの学習スタイル」がありました。
過去問30~40点からのスタート。苦手を塗り替えた学習法
Q:勉強を始めた当初、どのようなスタイルで臨んでいましたか。
一次試験に関しては予備校には行っていません。
TACの「スピードテキスト」と「スピード問題集」、あと過去問のシリーズを何回も何回も繰り返し解いていました。
とにかくアウトプットを意識して、問題集をやって、テキストを読んで、過去問を解く。それをぐるぐる繰り返す、という感じですね。
中尾さんが重視したのは、知識を入れることよりも、まず問題を解くことでした。
インプットだけに偏らず、問題演習を通じて不足している知識を確認する。
この繰り返しによって、徐々に試験で得点できる力を高めていきました。
苦手科目への向き合い方。最後は暗記科目を得点源へ
Q:苦手な科目にぶつかった時、勉強方法をどのように変えましたか。
経営情報システムなどは、過去問を解いても毎年傾向が変わるので、点数と知識がリンクしてこない感覚がありました。
私の場合、結局、最後の2~3週間は暗記系(経営法務や中小企業経営・政策)を重点的にやってポイントを稼ぐ戦略に切り替えました。
直前でも、ひたすら暗記を詰め込めば伸びる科目だと気づいたんです。
すべての科目を均等に伸ばそうとするのではなく、試験直前期には得点につながりやすい分野へ集中する。
中尾さんは、自分の弱点と残された時間を冷静に分析し、合格点を取るための戦略へ切り替えました。
「アウトプット先攻」で知識を定着させる
Q:過去問を解く際、テキストとの優先順位をどのように考えていましたか。
とにかくテキストから入らず、過去問をいきなり解いていました。
最初はもちろん30点や40点になってしまいます。
でも、それを何回も繰り返して間違えたところをまとめシートに戻り、テキストを読み返す。
この「アウトプット先攻」のスタイルを貫きました。
最初から完璧な理解を目指すのではなく、問題を解くことで自分の不足部分を明確にする。
中尾さんにとって、この学習サイクルが合格への大きな転換点となりました。
模試で現在地を確認。暗記科目を戦略的に活用する
Q:模試を活用することの意義をどのように捉えていましたか。
現在地を測るために、TACの模試は非常に効果的でした。
十分に勉強できていなくても、模試を受ければ周りとの順位や自分の立ち位置が見えてきます。
本番を想定するという意味でも、試験慣れという観点でも、受けておいて本当によかったと思っています。
模試は単なる合否判定ではなく、自分の現在地を把握するための重要な機会でした。
不足している分野を確認し、その後の学習方針を修正する。
中尾さんは、模試を戦略的に活用しました。
暗記科目を得点源に変える
Q:暗記系科目を得点源にするために意識していたことはありますか。
中小企業政策などは、暗記すれば確実に伸びる科目です。
戦略として、まずは暗記系でしっかり得点を稼ぐことを意識しました。
実際、一次試験合格の最終年は、最後に詰め込んだ暗記のおかげで、苦手だった科目でも得点源にすることができました。
理想的な学習計画を追い求めるのではなく、自分の得点源と弱点を客観的に把握する。
そして、合格点というゴールから逆算して、
- 捨てるべき分野
- 集中的に取り組む分野
- 短期間で伸ばせる分野
を見極める。
中尾さんの合格への道のりは、試行錯誤を重ねながら、自分に合った戦略を作り上げていく過程でもありました。
次回記事中小企業診断士二次試験の壁をどう乗り越えたか。自分だけの「解答の型」を作るまで
