ジョギング診断士会会員

  • 合格年度:2025年度
  • 受験年数:3年(2023年4月学習開始、2025年10月二次合格)
  • 学習スタイル:独学(1年目一次過去問主体)+予備校(TAC池袋校・二次本科生および一次単科)
  • 試験結果:一次試験 2年目合格 / 二次試験 3年目合格

中小企業診断士一次試験の合格までに3年を費やしたジョギング診断士会会員さん。ITの高度な専門資格である「技術士」を保持し、前職のキャリアもあったことから、当初は「簡単に取れるだろう」と試験を少し舐めていたと振り返ります。

しかし、蓋を開けてみれば得意なはずの科目で思い通りの点数が取れずに不合格。さらに年齢からくるプレッシャーによって試験前夜に1時間しか眠れず、フラフラの状態で本番に臨むという大きな失敗も経験しました。

仕事でも家庭でも責任を背負う世代の受験生が、自らの油断や体調管理の壁に直面したとき、どのように軌道修正を図ったのでしょうか。合格への歯車が回り出すまでの、地道な試行錯誤のプロセスを追います。

簡単に取れるだろうと思った。正直、舐めていた

上司の影響を受け、診断士を目指したきっかけは何でしたか。

2019年頃に、前職の上司がきっかけでした。その当時、私はRPA(業務自動化)という、IT系では比較的メジャーなツールの提案・導入に携わっていました。当時、普及が広がり始めていた領域だったんですね。

その時に私はパートナー営業の課長だったのですが、直属の女性の上司が、実は診断士の資格を持っておりました。私とその上司は隣同士でいつも仕事を一緒にしていたのですが、販促会議などの場で、その上司が市場構造を捉えたような発言をされていて、私からすると「この人は全然違った視点で物事を捉えているな、なんでそんなことがわかるんだろう?」と思ったのです。

それで「なんでそんなことわかってるんですか?」と聞いたら、「私は診断士を持っていて診断士活動をやってる」ということを聞かされまして、そんな資格があると知りました。その方は副業もされていて、私もこういう人みたいになれるといいなと思ったというのがきっかけの一つです。

もう一つが、NTTグループでの定年の問題です。今はルールが変わったかもしれませんが、60代で定年になると、管理職でも4割くらい給与がカットになるんですね。そういったことがあるので、当時から副業か何かを行って、それを補填する仕組みを考えておかなければならないなと思ったのが、取り組もうと思ったきっかけです。

ジョギング診断士会会員さんはNTTグループに30年ほど勤務し、IT系の技術を長く培ってきた背景を持つ。副業の確立とビジネススキルの向上を目的として、社内異動のあった2023年に受験を決意した。

受験当初、試験の難易度や学習スタイルをどう考えていましたか。

もちろん、先ほどお話ししたところにもつながるのですが、定年後にしっかりと副業ができるように、そこまでに副業をしっかり確立しておきたいという、私自身の中ではかなり強い意志があったかなと思ってます。外せない強い意志を持って始めました。

ただ、一点、正直に言って試験のことをあまり知らずに、「簡単に取れるだろう」と思ったというのが本音です。正直、舐めていたと言ったらあれですが、「まあ取れるんじゃないの?」ぐらいな感じで受験をスタートしたという程度です。

まず1回目の試験は、2023年の5月から8月にかけて行いまして、大体1日3時間くらいは勉強していたと思います。この期間は、私なりに公開されている過去問をベースに、TACの教材を活用して勉強していました。TACの教材というのは過去問解説集があったかと思いますが、あれを見ながら自分で紙に書いて解いて、過去問の解説を見ながら合っているかを確認するという方法です。

4人の子供を持つ父親でもあるジョギング診断士会会員さんは、開始当初は家族に相談することなく、独学に近い過去問主体のスタイルで1日3時間の学習を積み重ねていった。

1年目の不合格と、プレッシャーによる睡眠不足の失敗

得意なはずの経営情報システムで、どんなギャップがありましたか。

私自身、ITの試験である技術士という資格を持っていて、本来であれば経営情報システムは免除、あるいはかなり高得点が狙えるだろうという目論見がありました。

そのため、経営情報は全く勉強せずに他の6科目を中心に1日3時間勉強したのですが、結果として財務・会計、経済学、中小企業経営・中小企業政策が受からず、経営情報システムも90点くらい取れると思ったのですが、蓋を開けたら60点しか取れなくて、そんな感じでした。

専門領域ゆえに無対策で臨んだ科目での誤算に加え、他3科目を落としたことにより、1年目の一次試験は4科目の科目合格にとどまる結果となった。

前夜に1時間睡眠で臨んだ1年目から、何に気づきましたか。

実は1回目の試験の時に、かなり失敗したと思っているんですね。何を失敗したかというと、自分では必ず取れると思っていたのですが、取れると思えば思うほど、この年齢になってプレッシャーを非常に感じてしまいまして、試験の前日に睡眠が全然取れなかったのです。

早く寝ようと思ったのですが、実は1時間くらいしか寝られなくて、フラフラで行きました。あ、これはちょっと試験の備えをちゃんとしないといけないんだと気づきました。

1回目の時は初日はもうほとんど寝ずに行ったので、2日目に備えるために、1日目が終わったら勉強せずにその日ビールをガンガン飲んで早く寝よう、という感じでやったのです。それはもう全然試験に対する備えがなっていなかったので、2回目の時には、模試の時にも前日に睡眠をしっかり取る練習をしました。試験があることを見据えて、前日になってちゃんと眠れる練習というのを模試の時にやった、という感じです。

この発言から単に知識を詰め込むこと以上に、本番で本来の実力を発揮するための心身のコントロールや環境調整が受験において不可欠であるという強い教訓を得た印象を受けた。

私にとっては、勉強よりもコンディションを整える方が重要だった

2年目の一次試験に向けて、教材や講座をどう選びましたか。

やり方自体はあまり変えなかったんですね。ただ、2回目の時にはTACで教えてもらったので、より理解が深まったというのが実態です。やり方は、自宅のプリンターで過去問を印刷して、紙に全部書きながら勉強して、解説と突き合わせるという繰り返しで、1回目とほとんど変えなかったです。

2回目のところで残りの科目の試験を受けたのですが、そこはTACの単科ゼミというものを受けて、それでも1日3時間くらいはかなり勉強を積んだかなと思ってます。

TACの単科を受けた経緯としては、私もあまりよく知らずに勉強していたので、TACの二次試験と一次試験がセットになったコースを受講しようとした時、窓口で「TACの単科を受けると情報も早く仕入れられるので、そっちを受けた方がいいんじゃないの?」とアドバイスされたため、それを受けることにして、合格に至ったのかなと思っております。

あとは、本当に私に関しては手を動かさないとダメでしたね。スマホアプリをちょっと入れたことがあったんですよ、だけど、結局『財務・会計』などって手で計算しないとできないですから、スマホではできないということがすぐに分かったので、もう全部紙に切り替えました。紙でちゃんと自分なりに解いて、計算もして、「何が間違っていたんだ」というのを自分なりに繰り返して身につける、というようなところですかね。

不合格となった科目を確実に補うため、窓口での助言をもとにTACの一次単科ゼミを活用し、頻出範囲の情報を効率的に仕入れた。学習の手段としては、手軽なスマートフォンアプリでの学習が自身の求める計算処理に合わないと判断し、一貫して紙とペンで手を動かす地道な方法を守り抜いた。

2年目の一次試験に合格したとき、どのような状況でしたか。

おかげさまで、2回目の時の方が、あまり気負わずにある程度やったことをそのまま出せばいいと思えましたし、模試の時もちゃんと寝られるようになっていました。

少し睡眠障害を若干抱えていたこともあったので、睡眠導入剤などを少し飲んでいた時期がありました。試験直前も普通に、それを早めに飲んで、確実に直前は寝られるという形に整えることはやらせてもらいました。

それと、あと食事なども、結構昼に食事を食べちゃうと眠くなるじゃないですか。だからそういったところも、実は模試の時にかなり工夫して、この時にはこのくらいの食事にしようというふうに決めていました。

2年目の一次試験では、課題であったプレッシャーへの対策を徹底した。医療機関での診断のもとで睡眠導入剤を活用して確実に睡眠を確保し、日中のパフォーマンスを維持するための食事量まで模試を通じてテストを重ね、万全の体調管理で残る科目のクリアを掴み取った。


一次試験を突破したジョギング診断士会会員さんを待ち受けていたのは、記述式という二次試験の壁でした。何を書けばいいか全くわからないという状態から、TAC池袋校での受講を開始。しかし、提示された解法手順をそのまま全てこなそうとすると、パンクしてしまう現実に直面します。

ジョギング診断士会会員さんが選んだ、あえて「解法をそぎ落とす」という判断と、本番を支えた体調管理のルーティンに迫ります。次回、第2回「二次試験編」をお楽しみに。

ABOUT ME
SHINJI
製薬業界に20年以上従事。大手内資・外資系製薬企業にて、MR、プロダクトマーケティング、KAM(キーアカウントマネジメント)と医療用医薬品のコマーシャルの中核領域を一貫して経験。激変する事業環境の中で、自らのキャリアを再定義し「自立したビジネスパーソンとして新たな道を切り拓く」べく中小企業診断士試験に合格。現在は企業内診断士として、現場力と経営理論を融合させた実践を重ねている。