一次試験では「60点を取る」ことへ集中し、 二次試験では「解答例へ近づける」勉強から 「経営コンサルタントとして考える」学習へ切り替えた、くすりやのお仕事さん。

しかし、2年間の受験生活は勉強法だけでは語れません。 週末まで勉強へ使う生活を支えた家族。 途中入塾を受け入れてくれた本気道場の仲間。 そして2年目の夏には、会社の早期退職制度と診断士試験が重なりました。

「今しかない」。 そう考えて8月から10月まで勉強へ全力を注ぎ、 10月だけで約180時間を確保。 合格後には46歳で転職し、独立という選択肢も現実的なものになっていきました。

このインタビューは全3回です。この記事は第3回・合格後/キャリア編です。

前回:第2回|200時間勉強しても落ちた二次試験で変えた「考え方」

幼稚園行事は守り、学習を支えた妻への感謝

――週末もかなり勉強していたそうですが、家族の反応はいかがでしたか。

下の子が当時まだ幼稚園だったので、 幼稚園の行事にはきちんと参加するようにしていました。

ただ、行事の準備を含め、 家庭のことは妻がかなり担ってくれていました。 本当に頭が上がりません。

――ご家族の理解があったということでしょうか。

本人としては「理解してもらっている」というより、 許容してもらっていたという感覚に近かったそうです。

平日は仕事の後に勉強し、休日は朝から夜まで勉強する。 家族から見れば、 診断士の勉強も自分自身のためにやっているように見えた部分もあったと思います。

――独立については、今は家族へ話しているのですか。

今は独立についても受け入れてもらっています。 もともと一つの会社にずっと勤め続けるつもりはないと話していました。

娘たちがいるので、 まずは生活基盤を整え、家族が不安にならない状態をつくることが目標です。 その条件が整えば、独立も現実的な選択肢だと考えています。

途中入塾を受け入れ、支えてくれた本気道場の仲間

――受験勉強を支えてくれた存在はいましたか。

本気道場の仲間はとても大きな存在でした。 自分より優秀だと思う人がたくさんいて、 分からないところも教えてくれました。

本気道場は2月から始まっていましたが、 私は6月からの途中参加でした。 それでも快く受け入れてくれました。

仕事をしながら、 さらに診断士合格へ向けて本気で努力している人が何人もいる。 その姿そのものが支えになりました。 今でも尊敬できる仲間です。

会社に固執せず、早期退職へ手を挙げると決断

――2年目の夏、会社から早期退職制度の案内があったそうですね。

もともと「早期退職制度が出たら手を挙げよう」と考えていました。

一つの会社だけでずっと働くことに強くこだわっておらず、 環境を変えた方が、いろいろなことへ挑戦できると考えていたからです。

その年は社内でマネージャーになるプロセスも進んでいました。 それでも早期退職制度の案内が出た時点で、 退職する方向へ気持ちは固まりました。

そして8月初め、早期退職へ手を挙げることを決断しました。

10月は180時間。移動時間も使い、勉強に集中

――早期退職と二次試験が同じ時期に重なったのですね。

8月、9月、10月の3カ月間は、 本当に必死で勉強しました。

会社の仕事ではきちんと成果を出しながら、 仕事以外で使える時間はできるだけ勉強へ振りました。

――どのくらい勉強したのでしょうか。

10月だけで約180時間です。 1日平均にすると約6時間になります。

転職することも決まっていたため、 もし今回不合格になれば、 新しい会社へ入ってから再び勉強しなければなりません。

転職後に同じだけ勉強できる保証もありません。 だから「何としても今受かりたい」という気持ちが強くなりました。

講義の音声を通勤中に聞き、 朝、昼、夜の空き時間も勉強へ使いました。

不合格を覚悟していた合格発表で、思わずガッツポーズ

――合格発表を見る時、自信はありましたか。

全然ありませんでした。 何が正解なのか分からず、自分では不合格だと思っていました。

それでも結果を確認しなければならないので、 合格者番号を見ました。

自分の番号を見つけた瞬間、 一人で部屋の中でガッツポーズをして叫びました。

2年間積み重ねてきたものが、 その瞬間に結果として返ってきました。

46歳の転職と診断士資格で、キャリアの選択肢が広がった

――資格を取得してから、何が変わりましたか。

診断士協会にも入り、診断士としての活動を始めています。 資格を取って一番大きく変わったのは、 将来に対する不安が減ったことです。

キャリアの選択肢が一気に増えた感覚があります。

――46歳で転職も経験されていますね。

転職してみて、 40代後半でもまだ転職できると実感しました。

転職サイトへ登録している中で、 診断士資格を持っていることを前提にしたオファーが来たこともありました。 資格がマイナスになることはほとんどなく、 少なくともプラス材料にはなっています。

――今後は独立も考えていますか。

今は企業内診断士ですが、 将来的には独立も視野に入れています。

診断士そのものを仕事にするだけではなく、 診断士資格を信頼の入口として使いながら、 新しいビジネスをつくることもできると思っています。

一つの会社だけに縛られなくても、 キャリアをつくれる可能性が見えてきたことが大きいです。

40代のキャリア不安を減らし、将来の可能性を広げる資格

――最後に、受験生へ伝えたいことをお願いします。

診断士資格を取って活動を始めたことで、 将来に対する不安がかなり減りました。

キャリアの選択肢は、 自分が受験を始めた時に思っていた以上に多いと感じています。

特に40代で、 「この先のキャリアはどうなるのだろう」と不安を感じている人にとって、 中小企業診断士は将来の可能性を広げられる資格だと思います。

簡単な試験ではありませんが、 最後まで諦めずに取り組んでほしいと思います。


安さをきっかけに選んだスタディング。 一次試験では「60点を取る」という方針に集中し、 二次試験では一度の不合格を経て、 本気道場でコンサルティング思考へ切り替えました。

さらに早期退職と転職という人生の転機が重なった中で合格。 中小企業診断士という資格は、 くすりやのお仕事さんにとってゴールではなく、 会社だけに依存しないキャリアをつくるための入口になっています。

くすりやのお仕事さんの合格体験記・全3回

  1. 第1回|一次試験 ― 「60点で十分」と割り切った7カ月の学習
  2. 第2回|二次試験 ― 200時間勉強しても落ちた後に変えた「考え方」
  3. 第3回|合格後 ― 早期退職を決めた40代が診断士合格で得たキャリア【現在の記事】

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kutsumi
経済産業大臣登録中小企業診断士。 大手食品メーカーとスタートアップ企業で30年以上にわたりペット関連事業に従事。専門領域はマーケティング、新規事業参入、新製品開発支援。