【合格体験記】「今しかない。」早期退職を決めた40代が診断士合格で手にしたキャリアとは(第3回/全3回)
一次試験の効率的な学習、二次試験での思考の転換——しかし中小企業診断士への挑戦は、勉強法だけで語り切れるものではなかった。週末は朝から晩まで勉強漬け、家族からは、理解を得られているとは言いがたい状況。そして二年目の夏、早期退職のアナウンスと試験勉強が重なり、「今しかない」という緊迫感がくすりやのお仕事さんを追い込んだ。本気道場の仲間、家族への責任感、人生の覚悟——それらすべてが交差した先に、合格があった。診断士という資格が切り開いた新しい世界とは。
目次
- 家族との関係はどうでしたか?
- 本気道場の仲間の存在は?
- 早期退職の決断と試験勉強が重なった時期は?
- 10月の追い込み期間、どう過ごしましたか?
- 合格発表の瞬間、どう感じましたか?
- 資格を取って、何が変わりましたか?
- 受験生へのメッセージをお願いします
Q1. 家族との関係はどうでしたか?
――週末も勉強していたそうですが、家族の反応はどうでしたか。
下の子が当時は幼稚園でしたので、まだ小さかったんです。幼稚園の行事はちゃんと行っていました。ただその準備などはもろもろ含めてすべて妻がしてくれていました。妻には本当に頭が上がりません。
――ご理解をいただいているんですね。
いやいや、理解いただけてないんだと思います。今日もいろいろ言われてるんで(笑)。
仕事ばっかしちゃいけないなって。診断士の勉強も自分のためにやってるって思われているように感じていますよね。
週末は朝から晩まで勉強。本業をしながら平日は2〜3時間、休日はガッツリという生活。家族の理解というより、「許容」に近い状態だった。
――独立という将来の可能性については、その後家族に話したのですか。
今は全然OKって言われてます。もともと会社勤めは長くないなと話していたので、意外と受け入れてくれてます。
娘たちがいるので、生活基盤を整えて不安ないようにできるのがまず独立に向けた1つの目標。それが整えれば即、独立してもいいんじゃないかなと思ってます。
Q2. 本気道場の仲間の存在は?
――試験勉強を支えてくれた人はいますか。
本気道場の仲間はとても良くて。僕より優秀な人が本当にいっぱいいて、その人たちが教えてくれました。途中から入ったんですが、本気道場自体が2月スタートなので後発の状況でした。それでも心よく受け入れてくれて、わからないことを教えてくれたのはとてもありがたかったです。
みんな頑張ってた。本気で頑張ってる人が何人もいたので、それは支えになりました。そういった仲間は、今でも尊敬できますね。
Q3. 早期退職の決断と試験勉強が重なった時期は?
――2年目の夏に、会社から動きがあったそうですね。
2年目の夏、会社から早期退職のアナウンスがあった。くすりやのお仕事さんは以前から「早期退職あったら手挙げしよう」と密かに決めていた。
「最初から早期退職あったら手挙げしようと決めてました。会社から『一緒に頑張ろう』と言われても、絶対どっか行くって決めてたんです」
――なぜそこまで決意があったのですか。
いろいろ計算しても、そっちの方がいろんなことにチャレンジできるなと。1つの会社にいるって、1つの村社会でずっと生きるみたいな感じだと思うので。今の企業にいることのステータスを求めてる方じゃないんで、固執する必要はないと。
その年、マネージャーへのプロセスを進めていた。しかし早期退職のアナウンスが出た瞬間、辞めると決めた。8月初頭に早期退職手挙げを決断。
Q4. 10月の追い込み期間、どう過ごしましたか?
――早期退職のアナウンスと診断士試験のタイミングが重なったんですね。
8、9、10の3ヶ月間は死に物狂いで勉強しました。会社のこともちゃんとしながら成果を上げ、できるところは全部勉強に振りました。
――その追い込み期間の精神状態はどうでしたか。
「精神的にも何が何でも受かりたいという気持ちでした。転職をするので受からない場合は転職後にまた受け直すことになる。転職先の状況次第では勉強できるかわからない。どうしても今、受かりたいということで必死でした」
10月だけで180時間近い学習時間。毎日6時間の計算だ。
「授業の音源も一部もらえたので、それを移動中聞いたりしながら勉強しました」
通勤時間で音声講座を聞き、朝、昼、晩と隙間時間を勉強に充てた。「本当に身につけてやる」という執念の1ヶ月。
Q5. 合格発表の瞬間、どう感じましたか?
――合格通知を見た瞬間は。
「全然自信なかったですね。何が正解かわからない。で、合格を見ないといけないので見て、あった時は本当に一人で部屋でガッツポーズして叫びましたね」
自信はなかった。むしろ「絶対ダメ」と思っていた。しかし合格通知を見た時、我慢できず叫んだ。2年間の積み重ねが、その一瞬で報われた。
Q6. 資格を取って、何が変わりましたか?
――資格を取得してから、何か変わりましたか。
資格を取って診断士協会にも入って活動してます。私自身も強く思うし、周りの人もそうだよねと言うのが、将来への不安が減ったということです。キャリアの選択肢が本当にいくらでもあるんです。
――転職をされたそうですが、診断士資格がどう役に立ちましたか。
46歳で転職しました。転職してわかったのは、40代後半でもまだまだ転職できるということ。転職サイトに登録して感じます。直近では診断士資格保有者でもあることから、オファーがきたこともあり、診断士がマイナスに働くことはまずなく、プラスに働いています。
――今後のビジョンはどう見えていますか。
「今はまだ企業内診断士ですが、今後、独立を視野に入れています。診断士としてだけでなく、診断士はあくまでもフックにして、新たなビジネスを作るとか、そういったことも可能になるというところに診断士としての可能性を感じてきています。会社に縛られなくて済むようなキャリアの作り方ができる。キャリアに対する安心感がこの歳でもあるというのは大きいと思います」
診断士という信頼性が、転職市場での評価を変えた。ステータスではなく「選択肢」が増えたことの価値。会社に縛られない働き方の実現可能性が見えてきた。
Q7. 受験生へのメッセージをお願いします
――最後に、受験生へのメッセージをいただけますか。
「資格を取って診断士協会にも入って活動してます。私自身も強く思うし、周りの人もそうだよねと言うのが、将来への不安が減ったということ。キャリアの選択肢が本当にいくらでもあるというのが大きなメリットでした」
「40代で将来のキャリアに不安がある方もいらっしゃると思います。診断士資格はその不安を無くして、将来の可能性を広げる資格だと実感しています。最後の最後まで諦めずに頑張ってください。」
安さで選んだスタディング、ブレない集中、本気道場での思考の転換、早期退職と重なった追い込み、そして合格——くすりやのお仕事さんの二年間は、派手さはないが確実に積み重ねた日々だった。
娘たちの生活基盤を整えるという目標のために走り続けた。40代での挑戦は、「今しかない」という緊迫感が支えた。
中小企業診断士という資格は、くすりやのお仕事さんにとって「ゴール」ではなく「入り口」だった。独立可能性、転職、キャリアの複数選択肢——会社依存からの脱却という当初の目標は、確実に形になり始めている。
