【合格体験記】「独学でいける」と思った根拠はどこに?内海さんが語る一次試験突破のリアル(第1回/全3回)
内海 健(うつみ たけし)さん
- 合格年度: 2023年度
- 受験年数: 2年
- 学習スタイル: 独学(会社の通信教育 + 市販教材)
- 試験結果: 一次試験 初年度合格 / 二次試験 2年目合格(228点→241点)
中小企業診断士に「なんとなく」挑戦し始めた──。 内海さんのスタートは、強い決意よりも、環境の変化に背中を押された結果だったといいます。
コロナ禍で生まれた時間、そして会社の通信教育にあった診断士講座。「じゃあ、やってみるか」。そんな軽い気持ちで踏み出した一歩でしたが、待っていたのは「1,000時間」という数字に縛られ、不安を抱えながら机に向かう日々でした。
「これで合ってるのか?」 迷いながらも突き進んだ、泥臭くもリアルな一次試験対策の舞台裏を伺いました。
Q1. なぜ中小企業診断士だったんですか?
――資格を調べ尽くして選んだ、という感じではなかったですよね。
正直に言うと、最初から「診断士だ」って決めてたわけじゃないんですよ。
前職で事業譲渡を経験した際、後処理で中小企業の社長さんたちと話す機会がありました。「うち、もう廃業するわ」という言葉や、必死に継続を模索する姿を目の当たりにし、中小企業の厳しさを肌で感じたんです。
ちょうどその頃、社内の通信教育に診断士講座があるのを見つけました。「学び直しが必要だ」と思っていたタイミングだったので、深く考えずに申し込みました。
Q2. 通信教育のテキストが届いたときの心境は?
――「よし、やるぞ」よりも、戸惑いのほうが大きかったのでは。
届いた瞬間は、「量、多っ……」って絶句しましたね(笑)。 しかも内容が正直分かりづらい。言葉も古く感じて、読んでいてもスッと入ってこないんです。
でも、当時は他に選択肢がありませんでした。通信教育だから送られてきたものをやるしかない。予備校に通うという発想も、その時点では全くありませんでした。
Q3. 独学での勉強計画、どう立てましたか?
――「戦略」が必要だと感じた理由はどこにありましたか。
まずはネットで情報を集めました。すると、どこを見ても「1,000時間必要」と書いてある。それなら1,000時間を試験日までの日数で割って逆算しよう、と考えました。
- 平日: 最低3時間(夜21時〜24時)
- 休日: まとまった時間を確保
内容の理解よりも先に、まずは「時間を確保すること」を最優先に決めました。正直、この時点では理解できているかどうかは二の次でしたね。
Q4. 教材はどう使い分けていましたか?
――テキストの分かりづらさを、どうカバーしたのでしょうか。
通信教育のテキストだけでは厳しかったので、『スピード問題集』を並行して使いました。僕にとっては問題集というより「要約テキスト」のような存在で、「あ、要するにこういうことか」と腑に落ちる助けになりました。
最終的には、以下の3つを常に行ったり来たりしていました。
- 通信教育テキスト: 細かい定義や理論の確認
- スピード問題集: 全体像の理解
- まとめノート系: 知識の整理
Q5. 「書いて覚える」スタイルは正解でしたか?
――ノートを山ほど作った、と伺いました。
めちゃくちゃ書きました。方眼ノートを大量に買って、ほぼ「写経」状態です。 ただ、後から見返したかというと……実はほとんど見返していません(笑)。
「書かないと頭に入らない」という強迫観念で書いていただけ。今思えば、もっとポイントを絞ればよかったと思いますが、当時はそれしか方法がなかった。「これで覚えているはずだ」と自分を信じるための儀式だったのかもしれません。
Q6. 一次試験で特に苦戦した科目は?
――全7科目、すべて順調というわけにはいきませんよね。
「経済学・経済政策」のIS-LM曲線などはかなり時間を取られましたね。そこに時間をかけすぎて、後半の暗記系科目が薄くなってしまった反省はあります。
「中小企業経営・政策」は正直、ほぼ手が回りませんでした。全部を完璧にするのは無理だと割り切っていましたが、やはり時間は常に足りなかったですね。
Q7. 突破の要因は何だったと思いますか?
――常に不安があった中で、何が合格を手繰り寄せたのでしょうか。
ずっと不安でしたよ。「これで合ってるのか?」「もっといい方法があるのでは?」と。 でも、途中から「もう、これを信じ切るしかない」と開き直ったんです。
あれこれ手を出すと収拾がつかなくなる。だから勉強会やセミナーにも行かず、あえて情報を遮断しました。決めた教材をやり抜く。その「情報の断捨離」が結果的に良かったのかもしれません。
一次試験は見事突破。しかし、その先に待っていた二次試験は、内海さんにとって全くの「別物」でした。
- 「事例Ⅰ・Ⅱはいけたと思った」
- 「でも、財務が何を聞いているのか分からなかった」
次回、【第2回:二次試験・挫折編】(近日公開予定)。 初めて味わった“手応えのなさ”から、内海さんはどう立ち直っていったのか。その軌跡を掘り下げます
