プロフィール

  • ペンネーム:ツボ
  • 合格年度:2023年
  • 受験歴:14年
  • 勉強スタイル:独学7年 → TAC通学
  • 職業:会社員(販促支援・展示会企画など)
  • 特徴:会社にはほとんど言わずに受験

「受験歴14年」と聞くと、相当な努力家を想像するかもしれません。
しかしツボさん自身は、受験初期を振り返ってこう言います。

「一次試験の日がちょうど夏休みだったので、普通に遊びに行ってました。」

2009年に中小企業診断士を目指し始めたものの、独学の期間は長く、一次試験はなかなか突破できませんでした。
転機になったのは、仕事の異動で勉強時間が生まれたこと、そして初めて予備校で勉強仲間ができたことでした。

そこからツボさんは、自分なりのやり方を少しずつ作っていきます。
その象徴が、問題を管理する「星取表」という勉強法でした。

ただ、それでもすぐに合格したわけではありません。
遠回りの14年の中で、一次試験への向き合い方はどう変わっていったのでしょうか。

「上流の仕事をしたい」から始まった診断士受験

「もともと本業で販促支援をやっていて、展示会の出展とか、カタログとか広告とか、そういう制作の仕事をしていたんです。

基本的には、お客さんからテーマをもらって、それを予算内で形にするという仕事なんですよね。

それをずっとやっているうちに、もう少し上流の仕事ができないかなと思ったんです。

例えば最初の企画段階から関わってアドバイスできれば、結果的にうちに発注してもらえる可能性も高くなるんじゃないか、と。

会社の仕事を続ける中で、「もう一段上の立場で仕事をしたい」という思いが生まれたという。
そのとき、裏付けになる資格として目に入ったのが中小企業診断士だった。

「そういうことができるようになるには、何か根拠になるものが必要だろうと思って。

そのときに中小企業診断士という資格を知って、じゃあ取ってみようかなと思ったんです。」

ただし、最初から強い覚悟で勉強を始めたわけではなかった。

「夏休みは試験より旅行」だった受験初期

——受験を始めた頃、勉強はどんなペースでしたか。

「最初に志したのは2009年なんですけど、その年はほとんど準備だけで、あまり勉強してなかったですね。その後もずっと独学でダラダラやってました。」

一次試験は毎年8月の週末に行われる。
しかしツボさんの会社では、その時期がちょうど夏休みだった。

「試験の週がちょうど夏休みだったんですよ。普通だったら、その休みを使って勉強すると思うんですけど、私は普通に遊びに行ってました。」

——それでも毎年受験はしていたんですか。

「はい、毎年受けてました。ただ、今思えば真剣に勉強してなかったので、受かるわけないですよね。」

独学の期間は長く続いた。
一次試験の壁は、なかなか越えられなかった。

転機は「時間」と「勉強仲間」

——勉強への向き合い方が変わったきっかけは何でしたか。

「仕事で異動があったんですよ。それまでは夜中まで働くのが普通だったんですけど、異動したら遅くても7時に終わる生活になって。

それで時間ができたので、『よし、本腰入れてやろう』と思いました。」

そのタイミングで初めてTACに通い始めた。
2017年のことだった。

「それまでずっと一人で勉強していたんです。

会社にもほとんど言ってなかったですし、受験仲間もいなかったので。

TACに入って、そこで初めて勉強仲間という存在を知りました。」

——勉強仲間ができたことは大きかったですか。

「大きかったですね。

合格している人もいれば、まだ受かってない人もいるんですけど、今でもつながっている人もいます。」

ただ、予備校に通ったからといってすぐに合格したわけではない。

「TACに入って1年目はダメでした。2年目でようやく一次試験に通りました。」

「解けた問題はもう解かない」星取表勉強法

——一次試験の勉強では、どんな工夫をしていましたか。

「TACの教材を中心にやっていました。

特に役に立ったのが、小さい副教材の問題集でした。
テーマごとに過去問がまとまっているやつです。」

電車の中でも使いやすいサイズで、繰り返し解くことができたという。

「一緒に勉強していた人と、『何周した?』みたいな話をしてましたね。

苦手だった法務なんかは、7回とか8回ぐらい回しました。」

ただ、ツボさんの勉強法で特徴的なのは、問題の管理方法だった。

「解けた問題を全部記録していたんですよ。

いわゆる星取表みたいな感じで。」

——どんな形で管理していたんですか。

「丸とバツをつけていって、連続で3回解けた問題はもう解かないって決めてました。」

問題ごとの正誤を記録し、理解が定着したものは外していく。
そうすることで、解くべき問題が少しずつ減っていく仕組みだった。

「そうすると、だんだん解かなきゃいけない問題数が減っていくんですよ。

それがモチベーションにもなりました。」

苦手科目との向き合い方

——一次試験で特に苦手だった科目はありましたか。

「一番苦手だったのは財務ですね。あと法務も苦手でした。」

ツボさんは大学でデザインを専攻していた。

「デザイン出身なので、法律も数字もあまり関係ない分野だったんです。

会社法とか、取締役の数とか、そういうところがなかなか覚えられなくて。」

対策はシンプルだった。

「もう本当に繰り返しですね。

コツとか特にないです。

とにかく問題を解き続けました。」

直前期は「できない問題」に集中する

——試験直前はどんな勉強をしていましたか。

「最後は星取表で残った問題を中心にやってました。

解けない問題はやっぱり残るんですよ。」

もう一度、通しで問題を解くこともあったという。

「最後に一回全部通して解いてみて。

それで解けたところは大丈夫だろうと、自分を信用して。」

ただし、すべてを完璧にすることは目指さなかった。

「ミニテキストって、そんなに難しい問題は載ってないと思うんです。

だから、そこにある問題は取れるようにしておかないといけないだろうなと思って。」

難問よりも、基本問題を確実に取る。
その考え方で一次試験に臨んだ。

次回予告

一次試験を突破した後、ツボさんを待っていたのは二次試験6回の挑戦でした。
模試D判定、本番でのケアレスミス、そして「今年はダメだ」と思った年に起きた逆転合格。

第2回では、二次試験の勉強法と“手応えと結果が一致しない試験”との向き合い方を聞きます。

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浦 美和子
人材派遣会社で営業担当として、採用、配属後のフォロー、職場改善などに従事。2017年に中小企業診断士と国家資格キャリアコンサルタントの資格を取得。現在は独立開業し、中小企業の経営支援を行う。得意分野は、人事労務・人材育成、事業承継など。